白戸三平の漫画「カムイ外伝」を小学生の頃から愛読!

 小学生の時に初めてカムイ外伝をみたときに、子供が見る漫画とは思えないテーマの重厚さを感じました。この漫画では自然界の弱肉強食がごまかすことなく描かれていて、可愛い小動物がクマや鷲に襲われるところや蛇と蛙のにらみ合いなど今でも思い出すことができます。

 さらに身分制度の残る時代背景でしたので、貧乏な人と裕福な人が鮮明にえがかれていて当時の生活がよくわかり今はつくづく恵まれているなと子供心に感じていました。

 最初のシリーズであるカムイ伝で主人公のカムイは身分の一番低い層にうまれたので、それを嫌って単身で立ち上がりましたがすぐに殺されたときには驚きました。主人公が死んでしまう漫画を今までみたことがなかったからです。その後双子の兄であるカムイが活躍し、カムイ外伝に引き継がれます。

 カムイが修業して忍者になりますが、変移抜刀霞斬りが登場したときはなんて格好良い技と思い、友達とふざけて試したことがあります。相手と走りあって切り合う瞬間に後ろに隠した刀がどちらからでてくるのがわからないので相手が混乱します。どの場面も名勝負で迫力があり手に汗にぎって読んでいました。

 さらに次の技である飯綱落としもすごい必殺技であり、森の中の戦いで相手にしがみつきそのまま落下させて頭部を強打させるのは自分も大けがする可能性もあります。

 この技に対して女性の忍者が自ら刀をおなかにさして背後にいるカムイを串崎にして道ずれにする話がありますが、カムイが鎖帷子を着ていたために跳ね返されて失敗したときはなんともいえない悲しさをおぼえました。

 この漫画の魅力はカムイという一匹狼の忍者が敵に追われながら自ら考案したわざで相手と立ち向かい、生き残っていく必死さが伝わってくることにあります。当時の時代背景や人々の暮らし、考え方がよくわかり忍者物の漫画では一番印象の残った作品です。時々読み返していますが、今見ても斬新な気持ちにさせてくれます。
投稿日:2016年7月19日

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