気がついたら、SF漫画ばかりだった私の本棚

 子供の頃から漫画が大好きで、気になる漫画があれば次々に買っていました。少ないお小遣いをやりくりしたり、お年玉などをほとんど漫画につぎ込んだりと、とにかく漫画を買うことばかり考えていた気がします。もちろん、漫画ほどではないですが小説も買っていました。

 タイトルが気に入って買ったり、好きな漫画家さんの本は全て買ってみたり、誰かから「これが面白いよ」と言われれば迷わず買い、雑誌で読んでいる漫画もコミックスは必ず買っていました。

 気がつけば、収納場所にかなり困るくらいの状態になっていて、ピーク時では1000冊以上が部屋の中にあったように思います。

 子供の頃はファンタジーやホラーを良く買っていたつもりだったのですが、大人になってからそれらの漫画を読み返した際に、次から次へと「この漫画は実はSFだった」ということが判明していったのです。

 ホラーだと思っていたらSFホラーだったとか、ファンタジーではなく正真正銘のSFだったとか、まさかの事態にしばらく呆然としていました。私の本棚は、SF漫画ばかりだったのです。昔はSFと言えば宇宙だのロボットだのが出てくるものとしか思っていなかったため、自分の持っている漫画は違うと思い込んでいたのです。苦手意識すらありました。

 それが、大人になってSFの定義を知った途端に、この有様です。それからというもの、SFの奥深さに気がついて一気にハマり、どっぷりと浸かって抜け出せなくなりました。意識してSF漫画を買うようになり、SF小説も買いあさり、本棚がさらに凄いことになってしまったのです。

 今では苦手意識のあった宇宙ものやロボットものも大好きになり、果てには科学雑誌にまで手を伸ばすようになりました。ふと、自分が最初に読んだSF漫画は何だったのだろうと考えました。そして行き着いたのは、保育園の頃に読んだ手塚治虫氏の『火の鳥』でした。

 父が買い集めており、私も何気なく読んでいたのです。保育園児なりに内容を理解し、必死になって読んでいたのを覚えています。三つ子の魂百までとは言います。読んだのは五歳くらいの頃でしたが、まさにこのことかもしれないなと思う次第です。
投稿日:2016年7月19日

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