面白い漫画の読み解く!漫画の構成を考察する

 漫画とは説明するまでもなく、絵と文章が融合した作品です。文章だけではないために、小説などの活字のみの作品とは異なった文化として定着しています。そのため文章力や脚本のおもしろさだけではなく、絵の上手さも重要視されています。

 いくらその作品のストーリーがおもしろくても、絵が下手であれば漫画作品としての完成度は高くないと思います。さらに、漫画はコマ割りという四角いコマの中に絵を描くことによってシーンごとに分けられて話が進んでいきます。どのシーンを抜き取って読者に読んでもらうか。または前のコマから次のコマに移る時にどのような印象を持ってもらいたいかなどを計算して書いています。

 つまり、漫画は文章・脚本・絵・描写など様々な特徴が組み合わさって出来上がっている高度な作品であると言えます。このことは、今挙げた特徴のどれか一つだけが飛びぬけて上手いだけでは良い作品とは言えないことをあらわしています。私が漫画を読むときに注目するのは、漫画作品としての絵になっているかどうかです。

 漫画家さんになる方たちはもちろん絵がとても上手です。しかし漫画の絵というものは動きのあるものでなければなりません。なぜかというと、先ほども述べたように前後のコマの流れに沿って、読者をその世界へ引きずり込むようなものである必要があるためです。

 一枚の絵としてすばらしいものだったとしても、漫画という作品の流れの中で良いものかどうかは分かりません。絵としてはうまいんだけど漫画としてどうかなと思うことはよくあります。一つのコマの絵が静止画のようになってしまい、動きが感じられなくなってしまっている漫画は意外とあります。

 絵やストーリーがおもしろかったりするともったいないなと思ってしまいます。でも、そういった漫画も連載が続いていくと絵が変化していくことがあります。漫画家さんの技術が上達したり、作品に慣れていったりと色々な要因はあるでしょうが、そういったケースもたくさん見たことがあります。このように多くの特徴が絡み合って生み出される漫画という作品をこれからも応援していきたいと思っています。
投稿日:2016年7月19日

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