名作揃いのストーリー『大島弓子』の漫画の魅力

 このあいだ本棚を整理したら、処分したと思っていた漫画本が出てきました。また読みたいと思っていたものなので捨ててないということがわかって嬉しかったです。だいぶ昔のコミック本なので、今買い直そうと思っても売ってないだろうし・・と思っていました。

 それは大島弓子先生の作品集です。両親が離婚しそうなのを気づいた主人公の少年が必死になるストーリーとか、両親に関心を持たれていない女の子が募金に生きる意味を見出して・・という話とか、自分の前世に忠実に生きようとする少年の話とか・・、ざっくりと書いてみましたが、これだけでも読んでみたいと思う人はいるのではないでしょうか。

 両親の離婚を恐れている少年は、精神年齢が周りの大人より上で、漫画では精神年齢そのままを絵で描いてあるのでアンバランスです。とてもおかしい光景なのですが、これは案外現実的かもしれません。精神的に大人な子供が幼児みたいな大人を見下ろしている、みたいな感じです。

 募金に生きる意味を見出した女の子は、お金を作るためにあぶないアルバイトに手を出してしまいます。それを世間体という視点でしか考えられない両親はけっきょく変わらないだろうという諦め、そして前世に忠実に生き続けて、その前世で一緒だった相手を探し続けて・・・など、読みどころはたくさんある作品集です(説明が下手ですみません)。

 けっして明るいストーリーではありません。読むのがつらくなるくらいです。ラストもその後はどうなるの?という疑問が残る終わり方です。そのすっきりしない感じも含めて名作ぞろいです。

 大島弓子先生の作品は猫のキャラクターのものが有名ですが、私がよく読むのはそういうのではない作品です。とても大事なことが描かれている作品ばかりです。
投稿日:2016年7月15日

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