「3月のライオン」落ち込んだ時に読みたいコミック

 今までに数多くの漫画を読んできました。最近よく手にするのは、人生の指南書になるようなコミックです。指南書といっても、そんなに堅苦しい内容ではありません。羽海野チカ先生が描く、巷でも人気の「3月のライオン」が、私の心の支えになってくれています。

 「3月のライオン」の主人公は、高校生でプロ将士の桐山零。小学生の時に両親と妹を事故で亡くし、天涯孤独の身になります。 零は決して、少年誌にありがちな熱血タイプでバリバリ人生を切り開くような主人公ではありません。気が弱く、人とのかかわりもうまくいかないそんな少年なのです。

 頼りない主人公にハラハラしながら時には、母や友人のような心境で、彼のことを応援したくなるから不思議です。零がふとしたことから知り合った、川本三姉妹のかかわりの中で、人のやさしさやぬくもりを感じるシーンに心が癒されます。そして、いつしか自分の力で彼女たちを守りたいとさえ思うようになるストーリーに心が震えました。

 将士という厳しい世界の中でも、仲間たちの絆や対戦相手の人生を垣間見るとき、自分の人生に当てはまる部分もありとても共感できます。仕事や人間関係に疲れた時は夜眠る前に、よく読み返しています。

 読むたびに、新しい発見があり新しい気づきがあり、漫画といえどもここまで人の気持ちをしっかり描いた作品は少ないと感じます。

 人生に行き詰って「もうこんなところから逃げ出したいな」と思うことが時々あります。しかし、過酷な状況から逃げ出さずに、静かに立ち向かっている主人公 零のことを思い出すと「自分なんてまだまだ!彼よりも恵まれているのに、泣き言言ってる場合か!」と逆に励まされることもしばしばです。

青年誌で連載されている作品ですが、老若男女問わずどの年代の方にもなにかしら気づきを教えてくれる。そんな感想です。そんな素晴らしい漫画「3月のライオン」をおすすめします!
投稿日:2016年7月15日

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