鳥山明の「ドラゴンボール」は伝説に残る最高の漫画!

 これだけ漫画が普及してきた昨今でも、私がこれまでナンバーワンだと思った漫画はドラゴンボール以外にありません。壮大な世界観ということは誰もが知っていることですが、最も評価すべきところはその空間構図です。当時、舞空術という空を飛ぶ技が出てきたおかげで空から見た地上のようすや空間バトルの構図などはそれまでの漫画にはなかったものでした。

 しかし鳥山明先生はこれを実現しました。敵キャラとのバトルでは、地上戦もそうなんですが、空中戦での魅せ方が絶妙なんです。相手の後ろに回りこんだらどんな構図になるのか、かめはめ波を撃ったら軌道がどのように変化していくのかという魅せ方も上手く、まるで映画のような構図づくりというのは、鳥山明先生が並外れた空間認識能力を持っているということの表れかもしれません。

 ドラゴンボールは原作以上に外伝が多いことでも有名です。ゲームも入れるといったいどれだけの話があるんだという話の広がりの元になっているのは原作が非常に素晴らしいからです。少年時代のレッドリボン軍の話から地下に隠れて研究を続けていたドクター・ゲロの話が出てきたり、フリーザ編で宇宙に行ったところからアニメはドラゴンボールGTが出てきたり、現在放映中のドラゴンボール超の宇宙編の元になっていたりします。

 孫悟空をはじめとして、多彩で魅了的なキャラクターも魅力的ですし、明快でわかりやすいストーリー展開も最高です。小難しい設定などは全くないのですが、浅くも感じさせず、ドラゴンボールの世界は広く深いのです。

 放出系の技がいろいろとその後の漫画に影響を与えたことでもドラゴンボールは有名です。それまで人間の手の平から気功波が出たりする漫画はあったものの、明確に「気」というものを「技」に昇華させ、自分も鍛えればもしかしたら気功波が打てるんじゃないかという想像を抱かせるぐらいに面白かった漫画は後にも先にもこれだけです。

 色々な漫画家さんがドラゴンボールを好きで参考にしたという話もよく聞きます。例えば同じ少年ジャンプで連載されていた人気漫画『NARUTO』の岸本斉史先生なんかは、ドラゴンボールやAKIRAの模写をひたすらして、漫画を描く練習をしたと語っています。『NARUTO』を読んでいても、ドラゴンボールに影響を受けたと思われる描写がいくつも散見できます。

 格闘漫画の最高峰と言えるこの漫画を、もし、まだ見たことがないという方がいらっしゃいましたら、絶対に見ておいてください!日本の漫画業界において、後々の世にまで語り継がれる傑作、名作であることは間違いありません。『ドラゴンボール』ぜひ読んでください。

投稿日:2016年7月15日

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