おすすめ漫画『ダンジョン飯』の九井諒子が売れるまで

 独特の視点からファンタジー世界のダンジョン冒険を描いた話題作、『ダンジョン飯』。この前の『このマンガがすごい!』でも男性部門一位を獲得していましたね。

 さて、そんなこんなで今何かと話題の九井諒子ですが、彼女の売れるまでの作品を、みなさんご存知ですか?

 おそらく、漫画はそれほど刷られていなかったでしょうから、本屋でも九井諒子の作品を置いている本屋は少ないかも知れません。しかし、私は初期からのファンなので、手元に『ダンジョン飯』以前のマンガが揃えてあります。それについてお話します。

 九井諒子は、以前は短編漫画を描いていました。ファンタジーだったり、SFちっくだったり、作品傾向はそれぞれですが、どれも「独特」な作品であるという点が共通しています。

 そのなかでも私が特に好きなのは、「竜の学校は山の上」です。そこはこの世界のパラレルワールド。何もかもこの世界と同じですが、ただ一つ違う点は、その世界には、当たり前のように、生き物の一つとして竜が存在しているということ。主人公は、大学に入って竜の勉強をすることになります。その日々が、とてもファンタジー世界とは思えないくらいリアルに、当たり前のように描かれているのが、この漫画のすごい点でした。

 だから、私は最初、『ダンジョン飯』の情報を耳にしてびっくりしまして。長編に手を出してくれたのは嬉しいけど、そんな今の流行りに乗った作品、九井諒子はひよってしまったのではないか、と。しかし、そんな心配は無用でした。『ダンジョン飯』は、とても面白かったからです。

 『ダンジョン飯』は金と食料を失った冒険者が、ダンジョンの中でモンスターを食料にするというあらすじなのですが、特に、モンスターの料理の方法やモンスターの詳しい生態などは、短編作品で様々なものを掘り下げて描いていた作者だからこそ書けるものだと思いました。

 マイナーから一気に九井諒子がメジャーに躍り出てしまい、寂しい面もありますが、初期からのファンとして、九井諒子の今後の活躍を期待しています。また非常におすすめな漫画家なので、ぜひ一度読んでみてください!
投稿日:2016年7月15日

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